2019秋　青森の旅2日目　太宰の故郷へ

竜飛岬を後に、津軽半島をひたすら南下します。
まずはご飯を食べようと向かったのはつがる市木造にある｢神武食堂｣というお店です。


百年食堂というのをご存知でしょうか？
３代、４代と受け継がれ100年近く営業を続けている食堂のことで、その中でも青森の百年食堂は｢津軽百年食堂｣という小説や映画にもなっています。
神武食堂は木造駅という小さな駅のすぐそばにあります。
ちなみに木造駅は巨大な土偶が入り口にあり、しかも夜になると目から光線を出すということで有名な駅です。
かなーりローカルな駅で、街中でもほとんど人を見かけなかったのですが、神武食堂に到着してみると、このお店の前だけ大行列があるじゃないですか！
こんな辺鄙な場所なのに、もう驚きです。
見る限り1時間近く並びそうな雰囲気だったので、諦めることにしました。
仕方がないので駅の土偶だけでも見ていこうかと思ったら、工事中で何も見えませんでした。
なんのためにこんな場所まで来たんだか・・・。
ま、旅にトラブルはつきものですけどね。


気を取り直して、来た道を引き返して五所川原市の金木に向かいます。
金木は太宰治の生まれた地といて有名です。
金木に到着すると、まずは腹ごしらえ。
金木駅の駅舎の2階にある食堂にむかいます。
こちらでいただいたのは、しじみラーメン。
津軽半島といえば、十三湖のしじみも有名ですもんね～！！
なのでこの辺りではしじみラーメンも名物なのです。
とはいえ、このラーメンはあんまりしじみ感もなく、ごくごく普通の食堂のラーメンという感じでした(笑)。

ご飯を食べ終わって下に降りると、ちょうど列車が到着したばかりでした。
走れメロス号・・・かな？














駅前に車を置いて向かったのは｢斜陽館｣です。
駅からは歩いて10分ほどの距離にあります。
ちなみに斜陽館の前にも駐車場はあります。
斜陽館は太宰治が中学に進学するまで育った家で、現在は記念館となっています。
入場料は大人500円です。
お隣にある津軽三味線記念館との共通券は900円となります。
この太宰の生家がまぁとにかく豪邸なのです。
衆議院議員でもあった太宰の父親が、太宰が生まれる2年前に建てたのですが、青森ひばをふんだんに使用していて和洋折衷の豪邸です。
1階には囲炉裏がある板の間を初め、和室が並んでいます。びっくりしたのがこちらの仏壇。
一般家庭とは思えないほど豪華で巨大な仏壇です。
津島家の富豪ぷっりが伺えます。
2階は洋室が中心の間取りになっています。
こんな恵まれた環境で育ち学業の優秀だったのに、徐々に落ちこぼれになってゆき、薬物中毒となり自殺未遂を繰り返し、最後は愛人と心中を遂げるとういう、なんともドラマチックな人生を送った太宰治。
SNSのあるこの時代に、もし生きていたら炎上しまくりの人生だったんでしょうね。
彼の作品も、この時代に書かれていたら、また違う評価を受けていたかもしれません。


最後に津軽三味線記念館で、津軽三味線の生演奏を聴きました。
金木町は津軽三味線の発祥の地でもあります。
初めて生で聴く津軽三味線はバチの当たる音が迫力があって楽しかったです。
じょんがら節くらいしか聴いたことがないのですが、そんな人が多いことも織り込み済みのようで、ちゃんとじょんがら節も演奏してくださいました。


ちなみにこの金木町、太宰と津軽三味線だけでなく吉幾三の出身地でもあります。
こんな青森の小さな町から2人も有名人が出てるなんて、なんか凄いですね～！！


金木町から今日の宿泊先の弘前に行く前に、鶴田町という場所に寄り道しました。
鶴の舞橋という、日本一長い木造の三連太鼓橋です。
平成6年に完成したこちらの橋は、むこうに岩木山を望むことができ、とっても風光明媚な場所です。
春夏秋冬、それぞれ美しい景色が見られるようなので、青森に行かれる方はちょっと足を伸ばして行かれてみてはいかがでしょうか。